IDXは、創業当初よりリチウムイオンの可能性を見出し業界に先駆けてバッテリーの開発を行って参りました。
リチウムイオンは「エネルギー密度が高く、小型・軽量化が可能」「長寿命」「メモリー効果がない」など様々なメリットがあり、お客様の利便性を向上させるバッテリーとして開発の中心を担ってきました。
しかしながら、そのエネルギー密度の高さ故に安全性の確保がされていない状態の製品や間違った使用方法による事故が発生するなど危険な側面があるのも事実です。
そこで、IDXではお客様へより安全なバッテリーを提供するために、設計・製造過程で4つの安全への取り組みを実施しています。
IDX製品の ”安全” に関する4つの取り組み
① 国際規格IEC62133規格に基づく製品設計と第三者機関による試験の実施
② IDX独自の“機能性評価試験・信頼性評価試験”の実施
③ 冗長性を持たせた保護回路の搭載
④ 第三者試験機関発行のUN38.3 Test report の取得
IDXの取り組み ①
国際規格IEC62133規格に基づく製品設計と第三者機関による試験の実施
国際規格であるIEC62133規格とは、電気工学、電子工学、および関連した技術を扱う国際的な標準化団体である、IEC(国際電気標準会議) によって策定された、「リチウムイオンバッテリーの安全要求事項」の事を指します。 これには、電池の設計、製造に関する要求事項と試験内容が規定されており、この規格に準拠した製品ということのCB証明書があれば世界中で「安全な製品」という評価を受けることができます。
CB証明書取得までの流れ
CB証明書取得の申請
規格に基づく対象試験
IDXが開発した製品は本当にIEC62133規格に準拠しているのか、製品サンプルを提出し、試験を実施していただきます。
試験の報告書を元に、CBレポートとCB証明書の認証
CB試験所(CBTL)での試験報告書を元に、最終的に規格に準拠している製品なのか、認証機関(NCB)で判断いただきます。
CBレポートとCB証明書を受領
CB証明書を受領し、IDXバッテリーの規格準拠が証明できます。
IDXの取り組み ②
IDX独自の“機能性評価試験・信頼性評価試験”の実施
IDX独自で実施している“機能性評価試験・信頼性評価試験”は、前項で説明した IEC62133で定められた要求事項よりも厳しい基準 が設けられているものもあり、更なる安全性を担保しています。
信頼性評価試験と機能試験の流れ
バッテリー内部の電気系統をつかさどる保護回路の基板単体の安全性評価試験
バッテリーパックとして組み合がった製品の安全性・信頼性の評価試験
バッテリーパックとして組み合がった製品が仕様通りの機能を有していることを確認する機能評価試験
IDXの取り組み ③
Wで安心!冗長性を持たせた保護回路の搭載
バッテリー内部には保護回路が搭載されており、「過充電」「過放電」「過電流(充放電)」「過温度」が検知されるとバッテリーの内部が危険な状態に達する前にバッテリーの機能を停止する仕組みになっています。
安心の二重化設計
中でも「過充電」は特にバッテリーが危険な状態になる可能性が高く、過充電検出時は全体を司るメインの保護回路の他にサブの第2保護回路が働くように設計されています。万が一、メイン回路が故障などにより作動しなった場合に、第2回路が作動し、バッテリーの機能を停止させることが可能です。
IDXバッテリー 3 つの基本保護機能
- 1 過充電保護 : バッテリーが過充電状態になることを防ぐ
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過充電保護機能がないと電圧が上昇し続け、電極の結晶構造に歪みが生じ、セルの劣化につながります。セルの著しい劣化は製品寿命を縮めるだけでなく、最悪の場合には発煙・発火や爆発を引き起こす可能性があり、未然に防ぐ為の保護機能です。
- 2 過放電保護 : バッテリーが過放電状態になることを防ぐ
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過放電保護機能がないと放電が続くためにバッテリーのセル劣化が起きます。最終的に起きてしまう、充電しても電圧が復帰しない状態(充電不可)を防ぐ保護機能です。
- 3 過電流保護 : 充電時などの大電流が流れることを防ぐ
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過電流保護機能がなく大電流の充電/ 放電すると、自己発熱によるセルの劣化・電極を分離するセパレータの破壊により発煙・発火、そして最悪の場合には爆発する可能性があります。
IDXの取り組み ④
第三者試験機関発行のUN38.3 Test report の取得
UN38.3 とは、国連が定めるリチウムイオン電池の輸送の安全に関する基準と試験方法の規定です。 電池の品質や製品規格ではなく、「輸送時の安全維持」が目的とされ、国際輸送(船舶、航空および鉄道)時には、この試験に合格することが求められています。
この試験に合格したことを証明するものが「UN38.6 Test report 」/「UN38.6 TestSummary」です。
※国連加盟国の中ではすべて共通して利用が可能
IDXのバッテリーは、この試験をを第三者機関によって実施しています。
品質や製品の安全を担保する規格ではありませんが、輸送時の安全を担保する規格であるため世界各国のお客様のもとへ製品を輸出しているIDXでは非常に重要な試験と位置付けています。
これからもIDXは『安全なバッテリーをお客様に提供する』ということを最優先にバッテリーの開発を続けます。